ファスティングで基礎代謝量が上がるのか?
本日のお題は《ファスティングで基礎代謝量が上がるのか?》です。
基礎代謝量とは、あなたの生命維持のための必要最小限のエネルギーのことです。
通常熱量(キロカロリー)であらわします。
日本人の基礎代謝基準値は厚生労働省が情報提供しているのでチェックして見てください。
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一般的な成人で、女性は1200キロカロリー、男性は1500キロカロリーとされています。
ファスティングをおこなうと、食べ物が入ってこないので基礎代謝量が低くなる(下がる)と思っている人は多いのです。
だって食事を摂らないのですからね。
じつは基礎代謝量は、食事量・運動量・年齢・体温などで増えたり減ったりします。
なので毎日体組計で自分の基礎代謝量をチェックするのは良いことです。
私もこれを習慣にしています。
それは、インスリンが関係します
ファスティングは食事を制限しますので、インスリン値を減らします。
通常食事をすることで血糖値は上昇するからです。
インスリンは血糖値に関係するホルモンで、炭水化物、タンパク質、脂肪の代謝を調節して血中の糖をグリコーゲンまたは中性脂肪の形で溜め込みます。
インスリンが減ると、身体は溜め込んだグリコーゲンや中性脂肪を使う(代謝)する方向で消費します。
私たちのご先祖様が進化の過程で身につけた生きるための反応です。
ジェイソン・ファン医師の著書《世界最強のファスティング》によれば、連続4日間のファスティング研究で基礎代謝量が10%増えたそうです。
それはファスティングでインスリン値が減ると、かわりに反対の働きをするホルモンが増えることで結果的に基礎代謝量が上がるということです。
本来私たち人間も動物です。
生命を維持するために食物を探さなければなりませんでした。多くの場合すぐに食物にありつける機会は少なかったと思います。
なので飢えに対して身体が対応出来るように、インスリンが溜め込んだ糖質と脂質を分解するホルモンの働きが備わっています。
それをインスリン拮抗ホルモンといいます。
●グルカゴン
●エピネフリン
●コルチゾール
●成長ホルモン
などです。
これらの拮抗ホルモンは、生命維持のため溜め込んだ糖質(グリコーゲン)を使い、さらに足りないと中性脂肪を分解してケトン体というエネルギーに変えて身体の活動を維持するのです。
グリコーゲンは木炭、ケトン体はガソリン
熱量でいうとグリコーゲンは、《木炭》でケトン体は《ガソリン》と思って頂くとわかりやすいかも。
木炭よりガソリンの方が熱量ははるかに高い。
これが基礎代謝量を上げることになるんですね。
ケトン体がエネルギーになると身体は燃えやすい
ファスティング中、最初にブドウ糖(グルコース)を使い、そのあと筋肉中のグリコーゲンをグルコースに分解して基礎代謝量を維持しょうとします。
それが枯渇してくると、今度はタンパク質や脂肪細胞の中性脂肪を分解して脂肪酸にしてさらにケトン体に変換します。
ここまでの過程に約3日から4日間かかります。
なのでファスティングは3日目から本番と言われるのです。
ファスティングで痩せやすくなるのは、このケトン体での代謝を利用するからです。
人が何も食べなくても数日間生きられるのは、このケトン体のおかげです。
カロリー制限をしてケトン体を発生させることで逆に寿命を伸ばすのではないかともいわれています。
長寿に関わる遺伝子がケトン体の産生を制御する酵素の活性に影響していることも、最近ではいわれているのです。